• ・2009―2024年、15年を振り返る
  • ・デザイナーとして
  • ・人として、母として
  • ・これまでとこれから

2009―2024年、15年を振り返る「私のajew」だけじゃなくて、
「みんなの/自分たちのajew」

ブランド設立から15年。今どんな気分ですか。

嬉しいし、とにかくありがたい。
15年間のいろいろ思い出すと眩暈がしそうな気もします(笑)それくらい、波乱な出来事多めですが今は全て良い思い出に昇華してますね。

ブランド設立当時の思いってどんなものでしたか。

ワクワクしかなかった。不安とかなく、根拠のない自信しかない。野望はないけど商品一つ作るたびに「売れる」という確信を持ってた。設立当初は特にいろんな壁にもあたるし、みんなにやめておけと言われたこともあった。でも「やりたいことやってないのになんで辞めなあかんねん!」と思ってた。

これまでで大変だったこと、苦労したことはどんなことですか。

これ!っていう出来事というよりも、作りたいものと売れるものの差があったこと。
あとは社内・社外問わず、人との付き合い方が一番難しいし大変だと思ってる。万人十色の考え方があるから...。大変だった出来事思い出した!某ブランドのオープニング商品に納品が間に合わなかったこと。中国も当時今ほど経済成長していなくて、工場の稼働がストップすることも頻繁に起こってた。その当時はデザイン、生産管理、納品管理、検品、出荷まで全て一人でやってて、1週間前にまだ生産していないことが判明。もしそれが今起こったら、経験値があってこその別提案ができるけど、当時は経験もアイディアもなくて謝りにもいけなかった。すこし納期を遅らせてなんとか納品を済ませました。

嬉しかったこと、印象に残っていることは。

設立して間もない時期のことで言うと、当時大人気でajewを取り扱ってほしい!!とずっと思ってた某ブランドから、問い合わせフォームにお取り扱い希望の依頼が来たとき。この時の喜びは忘れられない。実はこの時に出会ったMDは、今うちで働いてくれてるスタッフです(笑)

印象的な出会いや分岐点に感じた出来事はありますか。

カバーガールと言う展示会が一つ目の分岐点だと思う。
当時はかごバッグが中心のラインナップで、スマホケース(cadenas zipphpne case)はまだなかった時代。当時人気のブランドが集結してて、読者モデルの方々にも自分の商品を見てもらって、大きな手ごたえを感じた初めての展示会だった。ここで今もお取引のある楽天市場のダブルハートさんや、阪急百貨店さんにも出会った。

15年前と今、変わらないもの・ポリシーはありますか。

大きく変わった。まずは「個人」でやることと「チーム」でやることが変わったから、考え方とか話し方にしても、全部変わったと思う。『ajew』はわたしにとって子供・分身みたいなものだと思ってる。これは15年前と変わらない思いではあるけど、今は自分の分身であるだけではだめだと思ってる。
子供の自立を促すのが親の務め‥とはまた違うかもしれないけど、スタッフはもちろん、ユーザー様含め「みんなにとっての」ajewとして成立させることを目指さないといけないと思ってる。設立当初は一人でやっていたこともあって孤独を感じてた。でも今はスタッフみんながいて、みんなでイベントとか施策とか、ajewにとっての面白いことを考えられる。そういう意味でも、「私のajew」だけじゃなくて、「みんなの/自分たちのajew」として自立してきているのかなと思うから、そこはもっとこれから突き詰めていきたい。

デザイナーとしてやって当たり前。
デザインの大切さというか
重要さ。

大槻MEMO

デザイナーとして社長のすごいところは、売れるものを生み出せることだと思います。カラー使いの魔術師。この色とこの色を合わせたら可愛いっていう引き出しが無限にある。スタッフの意見を聞いてデザイン変更するところもあるし、スピーディーな決断力とデザインワークがすごい。あと、社長のボキャブラリーと言葉選びも好きです。

デザインで苦労することは何ですか。

デザインワークに着手するまでが大変だけど、デザインを始めてからは全然困らない。
私のデザインワークは、老若男女・多種多様なひとたちがたくさんいる環境でデザインします。例えばカフェや図書館とか。そこにいる人達を見て、「この人にはこれが似合いそう」って想像すること、そして実際に使うこと考えて、それをモノづくりにはめる。スタッフとか友人に置き換えて考えることもあります。

デザインで大事にしていることは何ですか。

これだ!っていうインスピレーションを大事にする。私がデザインするのは雑貨だけど、一目見て可愛い、手に取ると気分が高揚する、みたいなアクセサリーのような感覚が生まれる雑貨を作ることは大事にしていきたい。

デザインを続ける、ブランドを続けるモチベーションは。

これといったものはない、やって当たり前。それに自分が好きなことができていることが幸せだと思ってる。15年経って、デザインの大切さというか重要さを感じてる。名刺ひとつにしても、「こういう生業の人」だとわかる以前に目に入るのはデザイン。何よりも先行する情報でもあるから、ホームページや、ルックビジュアル、それぞれのデザインがブランドのフィロソフィーに繋がってると強く感じてる。だからこそ抜かりなく妥協なく、慎重に大事に、大切にしていきたい。

やりがいを感じる瞬間はどんなときですか。

シンプルに商品が売れたとき。
自分がやりたいことと出来ることが同じで、それを世の中の人が求めてくれたらとても幸せだと常々思ってます。商品が売れるってそれが実現していると実感するから、やっぱりとても嬉しいです。あとはajewが、ブランドや人とコラボレーションができた時と、そこで新たな価値が生まれたとき。

ブランド・ヒト・モノとコラボレーションすることは
社長にとってどんな意味を持ってますか。

互いに求め合ってマインドとかエネルギーが一致するからこそできるものだと思ってて、そんな出会いって絶対多くない。だからコラボが実現したら嬉しいし、貴重な出会いやご縁を大事にしたい。
これまでにコラボレーションさせていただいたブランド様や人は、どれもすごく貴重で良いコラボレーションだったと思う。一方的な思いでやるモノづくりに意味はない。ブランドとしてのアイデンティティを大切に、ぶれずに進んだ先にある出会いを大切にしていきたい。

今後作りたいもの、やりたいことってありますか。

「雑貨」が好きなのは根底にあるけど、「売ること」と「売れるものを作ること」が一番好き。
全く新しい業態もやってみたいなあ、家電とか(笑)家電にファッション要素を取り入れて・・とかジャンル問わず私なりのデザインを落とし込んだ商品を考えてみたい。

人として、母として自分が楽しいと思うことを
見つけること。
それに向き合う時間。

学生時代はどんな人でしたか。

勉強は好きじゃなかった。小学校3年生から6年間バレーボールをやって、体を動かすことが好きだった。あとは絵描くこと。体育と図画工作の成績だけは良かったタイプ(笑)山下清の作品を見てはり絵とかもやってみてた。ファッションはずっと好きで、小学生時代から『non-no』を買ってた。

デザイナーになろうと思ったきっかけは。

きっかけ・・なんやろう、小学校の文集に「デザイナーになる」って書いてた。そこまで確信めいた感じではないけど、とにかくずっと夢はデザイナーだった。

ブランド立ち上げ前は何を。

某ブランドで2年間販売員をしてた。販売員だったけど、売ること以上にスタイリングを考えたりバイイングに興味があった。「私ならこんなものは買いつけてこんな人に広めたい!」とかの目線が先行してた。「何かやりたい気持ち」がすごくあって、販売員をやめてからは韓国に買い付けに行ってオンライン販売をしたり、自分で動くことをベースにしてた。

育児・家事・仕事・プライベートはどうしてますか。

朝の時間を充実させることを大切にしてる。朝に一日のご飯を作るとか。そうしたら一日のスケジュールにゆとりができて、うまく回ることが多くなった。でも基本的に忙しくしてる方が性に合ってます。プライベートな時間は、普通のお母さんよりもある方やと思ってる。

ストレスの発散方法は。

前はお酒を飲むことだったけど、今は自分が楽しいと思うことを見つけることと、それに向き合う時間。その時々で自分の中のトレンドとか注目するトピックスが変わるのはみんなそうだと思うけど、楽しみを見つけるのは得意だと思う。いまはキャンプ!すでに予約済。一緒に行こう!
大槻:以前山登りに連れてっていただいたので、今度は是非キャンプご一緒したいです!

これまでとこれから「ありがとう」の
15周年にしたい

15年前のじぶんに言いたいことってありますか。

「がんばれ!!!」の一言。
人には頑張らないといけないタイミングが絶対ある。そのタイミングって長く続くわけじゃないし、期間も決まってる。頑張れるときと、やれるときに頑張る。それを乗り越えた人は自分のやりたいことができるんだと思うから、15年前のじぶんにはそういう意味で頑張れって言いたい。

いまのajew、チームとしてどうですか。

チームとしてすごく良い状態だと思う。ajewとA SCENE、それぞれの目標ががっちり固まって、会社として底上げされていると思ってる。士気が上がってるよね。

どんな15周年にしたいですか。

「ありがとう」の15周年にしたい。ユーザー様、取引先様、家族、スタッフ、みんなに感謝を伝えたい。クリエーションとしては、変わらずajewらしくブランドとしてのアイデンティティを大切に、自分たちがやりたいことをベースに進んでいきたい。
これからもajewを、どうぞよろしくお願いいたします。